ピンクシャツデー運動のあゆみ
ピンクシャツデー運動は、実際にイジメをなくした学生ふたりのアイデアとアクションをきっかけに2007年のカナダで誕生しました。
以来、カナダのみならず世界中に賛同者が現れ、現在は世界的キャンペーンの一つとなるまでに成長しました。
その軌跡をご紹介します。
┃2007年
ピンクシャツデー運動のきっかけとなったのは、2007年のカナダ・ノバスコシア州での出来事でした。登校日に、ピンク色のポロシャツを着てきたことでイジメにあった男子生徒。その話を耳にした上級生ふたりのアイデアと行動がきっかけとなり、いじめがなくなったという出来事は、学校関係者や地元メディアのニュースを通じてカナダ全土に広まり、海外メディアにも取り上げられました。すると多くの賛同者があらわれ、彼らもまた学校や職場でピンクシャツを着たり、ピンク色のものを身につけていじめ反対の意思表示をするようになりました。
┃2008年
ブリティッシュ・コロンビア州知事だったゴードン・キャンベル氏が、この年、2月27日を「いじめ反対の日」と発表すると、バンクーバー市長だったサム・サリバン氏もキャンペーンを支持し、自らもピンク色のシャツとネクタイを身につけました。そして、市役所にはピンク色の旗を掲げました。
┃2009年
ブリティッシュ・コロンビア州知事だったゴードン・キャンベル氏は、この年のピンクシャツデーを2月25日と発表し、州全土の学校や職場などで一斉にいじめ防止キャンペーンを展開しました。同州最大のショッピングモールでは動画メッセージコンテストが開催され、最優秀賞作品が動画投稿サイトYoutubeに投稿されると、閲覧数は1週間で43,000回を超えました。
┃2010年
例年、2月に開催してきたピンクシャツデーでしたが、冬季オリンピックの開催と重なったため、活動効果が薄れることを懸念して4月14日に日程が変更されました。この年には、160,000人以上もの人たちがソーシャルネットワーキングサービスのFacebookにて参加表明をしました。
┃2011年
「いじめ問題は、学校だけでなく、職場やインターネット上にも存在する」と考えたカナダのピンクシャツデー団体は、学校以外にも、職場単位での参加も広く呼びかけました。すると、多くの企業がスポンサーとして参加を表明しました。カナダの銀行、ショップ、カフェなどでは、スタッフ全員がピンクTシャツを着て接客する姿が見られました。そして、この年から私たちピンクシャツデー実行委員会も日本におけるピンクシャツデーの普及活動をスタートさせました。
┃2012年
ブリティッシュ・コロンビア州知事は、この年、ゴードン・キャンベル氏からクリスティ・クラーク氏に代わりました。BC州知事になった彼女は、行政の立場からもイジメ反対のスピーチをするなどしてピンクシャツデーのイベントにも参加しました。スポンサー企業も、年々、増加傾向にあり、賛同者や参加企業・団体が増えるほど各地ではピンクシャツデーのイベントも増えています。スポンサー企業は、それぞれ商品やサービスの特色をいかした活動をしており、さらには、チャリティに参加するなどして貢献をしています。
┃2013年
ポスターやTシャツのデザインが、この年から大幅に変わりました。カナダには、ロンドンドラッグスというカナダ全土でチェーン展開している有名なドラッグストアがあるのですが、こちらはピンクシャツデーのスポンサー企業のひとつです。カナダのピンクシャツデー団体が販売するピンクTシャツやチャリティグッズなどが、店内で販売されています。また、店舗建物の正面にはピンクシャツデーの大きな旗が掲げられ、いじめに対する意識向上を目的に啓発がなされています。