ピンクシャツデー運動のあゆみ

ピンクシャツデー2017

ピンクシャツデー運動をつくった二人のうちのひとり、デイヴィッド氏からメッセージが届きました。

運動の創始者として活動を続けているトラヴィス氏だけでなく、デイヴィッド氏もまた日本の私たちの活動を見守り応援してくれていることに心から感謝の思いです。

「みんなの活動が、よりよい世界へとつながっていくことを望んでいる」と届けてくれたデイヴィッド氏。かつて彼は、いじめの存在を知ったとき、実際にアクションを起こし、いじめをなくしました。私たちひとりひとりが行動に移すことが大切だと改めて教えてくれる存在です。

ピンクシャツデー運動は、「いじめには反対の意思表示をしよう、立ち上がろう、アクションをおこそう」とひとりひとりに呼びかけています。「いじめを見たら、ひとりでも立ち上がってほしい、アクションを起こしてほしい」という創始者トラヴィス氏の切なるメッセージは、いじめを止めるために「その場に直接ひとりで介入すること」に限りません。いじめに気づいたとき、決して見てみぬふりをしたり傍観者になるのではなくて、何かしらのアクションを起こそうというものです。『ひとりの傍観者が、他の誰かに助けや協力を求めることもアクションのひとつ』です。

海外の研究データや専門家が示すように、傍観者が変われば、いじめはかなり減らすことが可能と言われています。傍観者になることなく、何かしらの手段や方法を諦めずに見つけようというものです。いじめの被害を受けている人にとって、誰かにうちあけたり相談することは勇気のいることだと思います。心配をかけたくない、迷惑をかけたくないとひとりで抱え込んでしまう人も少なくありません。長引いてしまうと、いじめをする側もその行為に依存し、なかなか抜け出せなくなります。だからこそ、まわりにいる人が傍観者になることなく、何かしらのアクションを起こすことが大切です。

また、そのアクションのタイミングによっても、その後のいじめの状況が継続・エスカレートしていくかどうかに影響を与えるという欧米の研究データがあります。最も効果的でいじめを長引かせなかったというケーススタディは、その時点で介入した場合で、さらに数秒でも、数分でも、介入が早ければ、いじめはその場でくいとめることができ、その後、継続する確立もぐんと下がるそうです。

ピンクシャツデー運動は、いじめ問題に対する意識向上を目的とした啓発運動でもあります。この運動が普及することで、子供でも大人でも、学校や職場や地域で悩んだ人が一人で抱え込まなくてもいい社会に繋げていけたらと思います。

2017年のピンクシャツデーの様子を、一部ご紹介したいと思います。

就任前からピンクシャツデー運動に賛同しているトルドー首相が、昨年(ピンクシャツデー2016)につづき、今年のピンクシャツデーにも、いじめ反対のメッセージを発信しました。

ピンクシャツを着て集合写真を撮影するカナダ国会議員たちとカナダ首相

@JustinTrudeau

カナダの国会は、トルドー首相をはじめ、ピンクを身につけた議員の皆さんでピンク色にいっぱいになりました 

ピンクYシャツとネクタイを着けたカナダ大臣

@HarjitSajjan

カナダ国防大臣ハルジット・シン・サージャン氏も ピンク色のYシャツで登場です 

消防、警察など

ピンクの制服を着た警察官たち

@rcmpmb

ピンクシャツを着た警官たちとピンクバルーンを持った子供たち

@WestVanPolice

ピンクシャツを着た消防士たち

@WestVanFireDept

飲食店(カフェやレストランなど)

ファミリーレストランやカフェ、ホームセンター、銀行、航空会社、ホテル等々が、企業単位でキャンペーンに参加しています。

ファミリーレストランのいじめ反対メッセージカード

@DennysCanada

ピンクのカップケーキを用意するカフェ従業員

@TakeFiveCafe

大勢のピンクシャツを着た賛同企業の社員たち

@Home_hardware

大勢のピンクシャツを着たスポンサー企業の従業員たち

@Coast_Capital

スポーツ

フィギュアスケート、アイスホッケー、アメフト、ゴルフ、野球選手、オリンピック選手など、多くのスポーツ選手たちもピンクTシャツを着てキャンペーンに参加しています。

ピンクシャツデーいじめ反対運動のためにピンクシャツを着たフィギュアスケート選手

@ScateCanada

ピンクシャツを着てボードにメッセージを書き残すスポーツ選手

@BCLions

ピンクシャツを着たゴルフ選手

@ahadwingolf

メディア

毎年、報道キャスターやラジオDJなども、自らピンクTシャツを着用し登場します。多くのメディアで取り上げられることで、社会全体でキャンペーンを盛り上げ、いじめ反対メッセージが広められています。

ピンクシャツを着てセルフ撮影する大勢の人たち

via Indianexpress

ピンクシャツを着たボランティアたち

via CBC.ca

ピンクシャツを着て取材に応えるピンクシャツデーいじめ反対運動の創始者

@pinkshirtday.ca

その他

ピンクシャツを着たカナダ赤十字の職員たち

@RedCrossBC

カナダ赤十字や、基金団体、慈善団体など多くの団体が参加します 

ピンクシャツを着てモールでフラッシュモブをするこどもたち

@pinkshirtday.ca

ショッピングモールでもイベントが開催され、モール中がピンク色になりました 

ピンクにライトアップされたカナダの建物と夜景

@pinkshirtday.ca

バンクーバーのシンボルとなっている総合施設のカナダプレイスでは夜になるとピンク色のライトが点灯されます

ピンクシャツデー運動は、いじめが発生しづらい雰囲気づくりをする事で、いじめ防止対策としても役立てられています。「もうひとりで悩まなくていいんだ、ひとりじゃないんだ」と、そんなふうに感じてもらえるような前向きで温かい運動だとも思います。

来年もピンク色のものを身につけて、ピンクシャツデーキャンペーンにご参加いただければ嬉しいです。