LGBTとは
女性・男性以外の性的マイノリティの代表的なタイプ(「L」「G」「B」「T」)それぞれの頭文字です
・「L(レズビアン)」女性の同性愛者
・「G(ゲイ)」同性愛者。おもに男性の同性愛者。女性の同性愛者が含まれる場合もある
・「B(バイセクシュアル)」両性愛者
・「T(トランスジェンダー)」性別越境者。出生時の性別に違和感をもつ状態。性別を越えて自己実現する者。体と心の性別は不一致で、身体的治療は望まない場合も含まれる
世界の概念は、「LGBT」から「LGBTQIA+」「LGBTs」などへ
「男性」「女性」「LGBT」のどれにも属さない性的マイノリティが存在します
性的マイノリティは、LGBTだけでなく「Q」も「I」も「A」も、その他にもまだまだいるよ、ということで「QIA+」や複数形の「s」をつけて呼ばれるようになっています。
・「Q(クィア)」女性・男性・LGBTに当てはまらない人達をあらわし、第三の性ともいわれる。呼称としては、差別用語からポジティブ使用へ変遷の歴史を持つ
・「Q(クエスチョニング)」自身の性自認や性的指向が定まっていない、または敢えて定めていない
・「I(インターセックス)」医学用語では、性分化疾患(DSDs)
・「A(エイセクシュアル)」無性愛者。性的指向がなく、他者へ恒常的に恋愛感情などをもたない
こんなにある!「男性」「女性」以外の性別
イギリスやアメリカの「Facebook」ユーザーは、71種類の選択肢から性別を選びます
Agender / Androgyne / Androgynes / Androgynous / Asexual / Bigender / Cis / Cis Female / Cis Male / Cis Man / Cis Woman / Cisgender / Cisgender Female / Cisgender Male / Cisgender Man / Cisgender Woman / Female to Male / Female to male trans man / Female to male transgender man / Female to male transsexual man / FTM / F2M / Gender neutral / Gender Fluid / Gender / Nonconforming / Gender Questioning / Gender Variant / Genderqueer / Hermaphrodite / Intersex / Intersex man / Intersex person / Intersex woman / Male to Female / Male to female trans woman / Male to female transgender woman / Male to female transsexual woman / Man / MTF / M2F / Neither / Neutrois / Non-binary / Other / Pangender / Polygender / T* man / T* woman / Trans / Trans Female / Trans Male / Trans Man / Trans Person / Trans*Female / Trans*Male / Trans*Man / Trans*Person / Trans*Woman / Transexual / Transexual Female / Transexual Male / Transexual Man / Transexual Person / Transexual Woman / Transgender Female / Transgender Person / Transmasculine / Two* person / Two-spirit / Two-spirit person / Woman
境界線が曖昧なものもあるようですが、性別は「男性と女性の2種類だけでは区別できない」ことを知るきっかけにもなります。
「性的マイノリティ=同性愛者」ではない
LGBTsがすべて同性愛者とは限りません。性的マイノリティには、色々なタイプがあり、人それぞれです。異性愛者、無性愛者、全性愛者などもいて、すべてのLGBTsの人たちが同性愛者というわけではないのです。
脳科学や生物学(染色体)から見るLGBTs
現在、脳科学や生物学の分野でも、遺伝子や染色体の影響など研究が進められています。男性や女性を決定する要素はまだ確定されていないようですが、後天的というより先天的なものが起因するという意見が多いようです。その場合、性的指向は生まれつきのものなので、単に個人の趣味や行動の問題ではないとも言われています。
脳科学者のサイモン・ルベイ氏は、著書「クィア・サイエンス」の中で、’ストレート男性とゲイでは脳の一部に違いが見られる’とし、’同性愛が生まれつきである有力な証拠だ’としています。
LGBTsは、特別じゃない
LGBTsは、病気ではありません。男性または女性以外の性別をもっているマイノリティ(少数派)というだけです。WHO(世界保健機関)では、「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とならない」としており、国際的基準において、LGBTsは病気ではありません。
「電通ダイバーシティ・ラボ」が全国約7万人へのアンケートをもとにまとめた調査によると、
日本における性的マイノリティは、全体の7.6%(13人に1人)
自分の周りにはいないと思っている人の身近にも、実際にはいるかもしれません。
カミングアウトしない選択肢
LGBTsだということをカミングアウトせずに生きている人達もいます。クローゼットというそうです。カミングアウトして生きるかクローゼットとして生きるかは、本人の意思に基づくものであり本人の自由です。本人が望まないのであれば、他人がカミングアウトを無理強いしないことです。
日本の教育現場における「LGBTs」
文部科学省が2013年に行った実態調査では、
身体的な性別に違和感をもち学校に相談した児童生徒は、全国に606人
2015年4月30日に、性的マイノリティ(LGBTs)のこどもについて配慮を求める通知を全国の国公私立の小中高校などに出しました。
人権問題からみる
法務省は、性的マイノリティをテーマにした人権啓発ビデオ「あなたが あなたらしく生きるために 性的マイノリティと人権」など動画を配信しています。
法務省 人権啓発ビデオ:「あなたが あなたらしく生きるために 性的マイノリティと人権」
大切なのは、人間性
たとえば友達をつくるとき、大抵の場合、相手の性別を意識するよりも個人の人間性をみているのではないでしょうか。家庭・学校・職場などにおいても、個人の人間性を見つめ特技や特性を発見し磨いていくことが、個人がもつ本来の個性を伸ばしていくことに繋がります
幸せかどうかを決めるのは、他人ではなく自分自身
LGBTsに生まれたことやLGBTsの家族を持ったことは、不幸ではありません。たとえば時に、心ない言葉を投げかけられることもあるかもしれません。LGBTsに対しての理解が乏しい人からの悪意や悪気のない言葉にさえ、傷つくこともあるかもしれません。
しかし、LGBTsに限らず、幸か不幸かは自分にしか分からないことです。他人から見て不幸に見えるかもしれないことも、自分が幸せだと思えるなら幸せなのです。幸せかどうかは、自分の考え方次第で変わるものです。他人によって決められたり、他人が判断できるものではありません。自分の幸せは、自分自身が決めればいいのです。
互いの「違い」を認めあう
人は、誰しも同じではありません。LGBTsに限らず、皆それぞれに違いを持って生まれてきました。私たちは、違うからこそ互いに補いあい、高めあうことができます。そこに、私たちの学びがあります。
私たちがみな、同じ考え、同じ言語、同じ技術などを持っていたなら、成長はありません。違うからこそ、学びがあり、切磋琢磨して成長ができます。そして、私たちそれぞれの違いが、社会全体を豊かなものにしていきます。
違いを排除するのではなく、互いの違いを受け入れ尊重することで、わたしたち一人一人が、もっと居心地のいい環境へとつなげていくことができます。たとえ、違いに対してきちんと理解することは難しくても、その違いを認めあい受け入れることで、私たちはより良い社会環境へと改善していくことができます。